こんばんは。今日は本の感想を書いていきます
【カフカはなぜ自殺しなかったのか?】
1.カフカとは?
①書籍・人物
②評価
2.カフカの自殺観
①周辺の人々
②カフカの死にたくなる時
3.言葉たち
①小説について述べる
②心に置いておきたい言葉
4.まとめ
bigter choiによるPixabayからの画像
1.カフカとは?
①書籍・人物
代表作「変身」「失踪者」「審判」「城」これらの本を出版に至らせたのは友人の作家の功績でもあります。死際に焼いてくれといったほど消極的で、実際に自ら燃やしたものもあるようです。
大学では法律を学び、卒業後はサラリーマンをしながら、小説を執筆します。
人気の文豪、芥川龍之介の少し年上らしいです。
②評価
この本の著者は「世界的に、20世紀最高の小説家という評価を受けている」と綴っています。
実際に、安部公房さんや村上春樹さんといった名だたる小説家にも影響を与えているようなので、文学に明るくない人でも納得する要素の一つであると思います。
2.カフカの自殺観
①周辺の人々
曽祖母、同級生、知り合い、上司、友人の作家、好きな作家が自殺をしています。
多すぎると思いましたが、日本でも8月の時点で1849人亡くなっています。
世界的に見ると、カフカの出身地であるチェコは22位。日本は7位です。
②カフカの死にたくなる時
・仕事をしている時
・父親の事業が上手くいった時
・恋人に注意を受けた時
・昇進した時
・失恋した時
仕事を初めて2週間ほどで、「自分は落ちぶれてしまった」などとしょんぼりしています。
3.言葉たち
①小説について述べる
「神は僕が書くことを望まない、しかし僕は書かなければならない」
17歳の時にニーチェにハマっていたようなのですが、壮大すぎる。
そしてカフカにとって必要な本とは、
「ぼくらの内の氷結した海を砕く斧でなくてはならない」
という詩的な説明で語られています。幸福になるためではなく、精神の解放を促すきっかけのようなものだと私は捉えています。
②心に置いておきたい言葉
日記では「マジ無理。リスカしよ」ばりに自殺をほのめかしています。
でも、死のうとすることはありません。優柔不断で決断を先延ばしにしてしまうカフカは、自殺も先延ばして作品を作り上げていたのだと思います。
将来に向かって歩くことは、ぼくにはできません。
将来に向かってつまづくこと、これはできます。
一番うまくできるのは、倒れたままでいることです。
これは恋人に充てた手紙なのですが、この弱い部分をさらけ出しているところ、開き直っていて面白い人だなと感じます。自分の弱さを人に伝えられるというのは、見習いたいところです。
真面目で、責任感の強い人って「一人でなんでもやらなきゃ迷惑が掛かっちゃう!」って強がって、精神を病んでしまいがちなんですよね。しかも、うつの始まりは自信過剰からくるらしいので、「自分なんて…」に陥ってしまうわけです。
その上、断れない性格の人は「無理、できません。助けてください」
がなかなか口から出ない。
そんな時には、カフカを思い出して「あれくらいダメなところを出してもいいんだ」って開き直ってしまうしかないです。カフカくんよりちょい上を目指そうくらいの気持ちになると楽です。自分に期待しないから。
科学の見解によると、情緒不安定は創造性の源になるそうです。彼がもし、メンタルを鍛え上げ生涯を何気なく送っていたとしたら生まれなかった作品もあるのでしょう。当時は大変辛かったでしょうが、たくさんの言葉たちをありがとう、といいたいです。
Sammy-WilliamsによるPixabayからの画像
4.まとめ
電車、車、ベランダ、日常には今すぐ動けば命を断てるものがあります。自分が自殺してしまうんじゃないかと怖くなって、距離を空けて過ごしています。
カフカが死にたいと思いながら死ねなかったのは、日常のなかにほんの少しだけ希望があったからなのだと私は思います。文学、友人、恋人。社会に馴染みにくいと日々感じていながら、些細な嬉しいこと、小説に結びつくようなほんの小さな発見があったから、死にきれなかったのかもと考えます。
そして世界に過敏に反応していたから、小さなものも見逃さなかった観察眼は羨ましいなと思います。
小さい頃に、犬と散歩にいったカフカはもぐらを襲う自分の愛犬を面白おかしく眺めていたのですが、一瞬自分が悲鳴を上げたかのような気分になったのだそうです。
弱者の目というか、気持ちに入り込めるのはすごいことだと思います。
君なら勝てる!と鼓舞するわけではなく、殴られたら痛いよなと隣にいてくれるような心地よさがあります。
ポジティブな言葉をかけてもらう、励まされるストーリーも読みたくなります。でも時には、自分と同じくらいネガティブな作家の書く物語にも触れて見てはどうでしょうか。
こんなに死にたがっていた人も人生で息抜きを見つけて、それなりに生きていた。と考えるだけでも心が落ち着きます。